

筋トレや有酸素運動をした時、「あーー気持ちよかった!」とカラダがスッキリしたり、心がスーッと軽くなったりしませんか?
それは運動やトレーニングによってホルモンが分泌されるおかげなんです。今回は筋トレ・有酸素運動で分泌されるホルモンのメリットを紹介します。これを見るだけでも運動時のモチベーションが全然変わってきますよ。
目次
ホルモンとは
ホルモン(英:hormone)とはカラダの様々な機能を調節する化学物質のことです。カラダの内外での環境の変化が起きた時、このホルモンがカラダの働きを正常に保つよう働きかけています。
このホルモンは体内の内分泌腺という箇所で作られて、血液を通ってカラダ中に運ばれます。
①成長ホルモン
成長ホルモン(英:growth hormone)は内分泌腺の1つ、脳下垂体から分泌される物質で、その名の通り「身長を伸ばす」等のカラダを成長させてくれるホルモンです。
そのほかにもう1つ重要な役割があり、それはカラダにある物質をエネルギーとして使えるエネルギーに変えてくれる働きをします。(これを俗にいう代謝といいます)そのため供だけでなく大人になっても必要なホルモンなのです。別名若返りホルモンです。
具体的な効果は以下の通り。
- たんぱく質を合成して骨や筋肉を作る
- 脂質の代謝を促進して、体脂肪の蓄積を防ぐ
- 体脂肪の燃焼
- その他の代謝の促進
成長ホルモンは年齢に連れて分泌量が低下していきます。成長ホルモンが不足するといらだち、やる気の低下、精神の不全など色々な悪影響が出てきます。
そこで筋トレや有酸素運動などのトレーニングをおすすめします。これらを行うことで分泌を促進し、代謝が良くなり健康にも繋がりますよ。
「成長ホルモンは筋肥大に効果あるのか?」
※これはコラム的な解説なので気になる方だけ読み進めてみてください。
成長ホルモンは筋肥大には欠かせない物質だという説が濃厚でしたが、最近では直接的には関係がない説が濃厚である気がします。ホルモンは基本全身ファクターなので成長ホルモンは脳下垂体から分泌されて血液を通って全身をめぐります。そのため「右腕を鍛えたら左腕も足も太くならないとおかしい」といわれていました。
そこで注目されたのがインスリン様成長因子(IGF-1)です。これは肝臓から分泌される他にトレーニング後の筋肉からも分泌され、筋肉自身と筋繊維の再生に必要な筋サテライト細胞の増殖を促したりと、「右腕を鍛えると右腕が太くなる」といったある一部位に働いて筋肥大に貢献することが研究で分かっています。
このIGF-1を効果的に分泌するには瞬間的に大きな力を出すトレーニングではなく、少し長い時間、運動強度の高いトレーニングを行うのが重要です。
つまりトレーニングの容量を増やす、ということですね。ベンチプレスをするな!というわけではないですよ。
この容量の大きいトレーニングが成長ホルモンも強く分泌するため、成長ホルモン=筋肥大の式ができあがったものだという考え方が主流です。

②テストステロン
言わずと知れた超絶有能ホルモンです。男性ホルモンのことを指します。男性の場合は主に精巣で合成される男性ホルモンですが、女性でも副腎や卵巣で分泌されます。
女性が筋トレをする大きなメリットとして、このテストステロンの分泌の促進が挙げられます。
判断力が増し、脂肪燃焼、やる気の向上など嬉しい効果があるので男女問わず筋トレはおすすめですよ。
効果は以下の通り。
- やる気や闘争心の向上
- 骨や筋肉の強度の維持
- カッコよく(男らしく)なる
赤文字が最も重要な効果です。やる気や闘争心が上がるとメンタルが安定し、生活のすべてが活性化します。
テストステロンも加齢やストレス等で分泌量が低下してしまいます。低下するとうつ病、性欲・やる気などの低下を招いてしまうのでそれを防ぐためにまずは筋トレをしましょう。具体的な改善な流れは以下のようになり、好循環になるのでおススメです。
ココがポイント
筋トレする
↓
やる気が向上して仕事・プライベートのすべてに意欲的に
↓
体型が変わる
↓
自信がつく(自分が選択する行動に迷わなくなる)
↓
仕事・プライベート・筋トレ等の行動が積極的に
↓
さらに自分を鍛えたくなる → 筋トレする(以下ループ)
テストステロンの分泌のためだけに筋トレを始めても良いくらい、大事ですよ。
効果的な分泌には、大きい筋肉(肩・胸・背中)を鍛える、高負荷高重量、またトレーニングのセット数・時間を増やす、休憩間隔を短くするなど、ハードな筋トレがおすすめです。
テストステロンが出るとハゲる?→デマ
これはよく聞く話なのですが、テストステロンが出るとハゲる!という噂です。
テストステロンは脱毛を促進する物質ではありません。まったくのデマなので安心して筋トレしてください。
むしろ男性ホルモンの分泌促進によって男性更年期による脱毛を防ぐとも言われていますよ!
参照:テストステロンについて
③セロトニン
名前を聞いたことくらいはあるんじゃないでしょうか。セロトニンは三大神経伝達物質と呼ばれる脳内ホルモンの1つで、その効果から別名幸せホルモンと言います。セロトニンの効果は以下の通りです。
- 脳を最適な覚醒状態にする。集中力に関係。
- 心の落ち着き、安心感
またセロトニンは夜になるにつれて睡眠の質に関係するメラトニンという物質に変わっていきます。人生の3分の1を消費する睡眠の質は何より大事です。セロトニンは積極的に分泌させていきましょう。
セロトニンは日常のストレスでどんどん分泌量が低下していきます。セロトニンの分泌促進に効果的なのは以下の3つ。
- リズム運動
- 睡眠
- 食事
この中でもリズム運動を特におすすめします。これは軽い筋トレ(30秒のスクワット等)や散歩でも十分に分泌されます。
また、睡眠もおすすめです。これは5分の仮眠で十分に分泌されるので、例えば「平日のお昼あと、散歩をして帰り5分間目を瞑る」と午後も最高のコンディションで作業が出来るでしょう。
④ドーパミン
ドーパミンはセロトニンと同じく三大神経伝達物質の1つで、幸福物質と呼ばれています。運動した後のあの何とも言えない気持ちよさ、あれはドーパミンが関係しています。
ドーパミンの効果は以下の通りです。
- 多幸感
- 気分の高揚
- 興奮
これによってポジティブ思考になり、全能感が得られます。ちょっと疲れちゃったあなた。そこでたった2分でできる筋トレでもやってみて。
「おっ、気持ちいい~!」「俺はできるぞやったるぞ!」と、なんだか気持ちの高ぶりを感じる事でしょう。運動後のあなたは無敵です。これによってますます鍛えるのが楽しくなり、先述の好循環にも貢献。健康への道をまっしぐらです。
これもセロトニンと同様に、自分が楽しいと思えるような軽い運動やランニングなど、ハードではないトレーニングで特に分泌されます。
⑤ノルアドレナリン
ノルアドレナリンも三大神経伝達物質の1つで、交感神経を刺激し、集中力や思考力を高めてくれます。
他にもセロトニン分泌にも働きかけたり、脂肪からエネルギーを得る代謝を促進させて脂肪を分解するはたらきもあります。
セロトニン・ドーパミンと同様に、自分が楽しいと感じるくらいのハード過ぎない運動がノルアドレナリン分泌に効果的です。
⑥エンドルフィン
「ランナーズハイ」という現象を知っていますか?
ずっと走ったりしているとだんだん楽しくなってきてもっと走りたくなる現象のことです。あれはエンドルフィンが関わっていると言われています。
ランナーズハイにもあるように効果は気分の向上、頭がスッキリするというもので、脳内麻薬といわれるほどです。
これは限界を超えるほどのハードな運動を経て分泌されやすい物質なので、テストステロン等の分泌を特に促進したい時にエンドルフィンも分泌されると言えます。
まとめ
いかがでしたか。
筋トレとホルモンについて正しい知識を身につけて楽しく科学的に筋トレしましょう。
※筋トレは正しいやり方をきちんと知れば楽しいものですよ。もし続かなかったという人は正しい知識、続くやり方を知らないだけかもしれないので以前解説した『ダイエットや筋トレが続かない人へ。長続きするコツを教えます』が参考になるかもしれません。
正しい知識は自分を高めてくれます。さらにほかの人より知識が深いので「俺は知っているんだぞ」と優越感にも浸れます。
『知識 is 力』です。本やネットでリサーチして知識を深めて他人より賢くなっちゃいましょう。
ちなみに現代人こそ本を絶対に読むべき理由を下記で説明していますので、ぜひご覧ください。